東大卒タレント/東大卒キャスターによる英単語はどう覚えるのが効果的?

木村美紀(東京大学卒タレント)×加藤友理(東京大学卒キャスター)~対談

 このオンライン英単語帳は、かつて木村美紀等執筆の英単語書籍をもとに現在の入試傾向を踏まえ編集し直したものです。

 この書籍の表紙に登場したミス東大の加藤友理さんと木村美紀さんに、予備校講師がインタビューした内容~単語の覚え方や単語集の使い方などについて話した内容をまとめたものです。(一部改変)


 今、受験生の間でよく使われている英単語集は、どれも良く研究されていて受験に大変役に立つと思うのです。ただ、「ある程度英語が得意な人には、」という前提条件が付きます。余りにも情報量が多いため、どう覚えていけばいいのかわからなくなります。それほど得意ではない人は、やはり、学校や、予備校で、出てきた単語を、一つ一つ丁寧に覚えていく。そうして覚えていった中で、受験本番が近づいてきたときに、英単語集でチェックしていけばいい。私は、これまでの英単語集は、入試本番直前に「チェックとして使うもの」と考えています。加藤さんは、現役で東大に合格されたわけですが、単語集は活用しましたか?

加藤:私は、学校で指定された英単語集をやっていました。単語はすぐ忘れてしまうので、何回も繰り返してやっていました。 例えば、5ページくらいずつ進んで、また、2週間前くらいにやったものを復習したりしていました。学校が遠くて、電車で1時間以上かかるので、よく電車の中で単語集を見たり、休み時間に書きながら覚えたり、いろいろ試しながらやっていました。

最終的には結構おぼえましたか?

加藤:けっこう、直前期には、覚えたのでは。でも、私は単語集に出てきた単語を1つ1つ全部覚えることには、あんまり固執していなくて、単語は、文脈から推測できるものだと思っていた。だから、そこまで英単語集にこだわっていたわけではない。

英単語集の位置づけは?結局、単語集で覚えたのですか、読解の中で単語を覚えたのですか?

加藤:授業の中でやった英単語だと、「ああ、あの授業のときにやった英単語だなあ」と覚えているけれども、単語を無理やり詰め込んだ短い英文で強引に覚えるのは、あんまり好きじゃなくて、私の使っていた英単語集についている文章で覚えたわけではない。英単語集だけでは、やっぱり覚えられないというか、授業の中で、わからない単語をメモしていって、その上で単語集を補助的に使って覚えていくようにしていました。

やはり、学校や塾の授業の中で出てきた英単語をこまめに覚えていくことが中心ですよね。それでは、英単語集は、結局必要ないのでは?

加藤:そうですね。でも、単語集は単語集でひととおりやった方がいいと思います。けど、単語集を全部覚えなきゃいけないと思って、プレッシャーを感じる必要はないと思います。あくまで、単語集で単語を覚えるというよりも、「あっ、この前の模試で、この単語でてきたなあ」って、感じで、確認のつもりで、空き時間に、眺めているくらいの気持ちでいいと思います。

なるほど。単語集で、「1日1ぺージ覚えよう」とか、計画をたてて、実行すればするほど、三日坊主になってしまう。それならば、もっと、補助的に、気軽に単語帳と付き合っていこうと言うことですね。木村さんは、英単語集をどう位置づけていましたか?

木村:私は3冊やったんですよ。高1で速読英単語。

 TOEICと英検の対策のために、ジャンル別に時事問題とか、脳の分野とか、政治経済の分野とか。本番直前に、また別の英単語集を使いました。最後に、落とし穴がないかというチェックで使いました。木村さんも電車の中なんかでやっていたのですか?

木村:単語を覚えるときは、合間の時間を使っていて、授業の合間、休み時間、ちょっとした10分とか、少しの時間でやるのが効果的だと思います。1時間も2時間も使って、単語を覚えるというのは効率的ではありません。あと私は覚えた場所の映像ともに、覚えているっていうか、例えば、電車に乗っていて渋谷まであと3分あるとすれば、3分でabilityを覚えようとか、今でも、その映像が残っているんですけれど。

 現実としてはそれが続かない人が多いですよね。ちょっとずつ覚えると言っても、ちょっとずつをうまく活用できない人が多い。ちょっとの時間で覚えていくコツは何でしょう?

木村:私の場合、高校生のときからいろいろな活動をやっていたこともあり、いつ時間が空くかわからなかったので、手に、20~30コ書いていました。朝、家を出る前に、左手に書いて、右手に友達に書いてもらって、歩いている時とか、学校の授業中とか、休み時間とか、部活のときとか、食事のときとか、ちらっとみていました。手に書けば、どこでも、見たいと思ったときに見ることが出来ますし。今日の単語リストを必ず作っておいて、お風呂に入る前に、もったいないなあと思いながら消して・・・。いつも、手は真っ黒になっていました。

 スマホでできるこのオンライン英単語帳があれば、手に書かなくてもよかったのにね。(笑)

木村:ホント、そうですよ。もう、手を汚すのは私だけで十分。(笑)この単語帳を手に入れたあなたは、ケータイさえあれば、手を汚す必要はない。ホント、うらやましい。私は、高校のとき、毎日、手は、真っ黒だったんだから。(笑)

 あと、私は、目的意識をはっきりしたほうがいいと思うんですよ。大学受験なのか、TOEICなのか、英検なのか、英会話のためなのか、ビジネスなのか、実生活に使いたいのか。単語集の使い方としては何かアドバイスはありますか?

加藤:私は基本的に英単語集は確認のために使っていました。あと、覚えた日付をそのページに書くようにしていました。うれしいんですよ。覚えたと思って、その次見たときに、私、この前やったのにもう忘れてしまったとか、とにかく、いろいろ書き込んでいっていました。例えば、「驚く」でもsurprise とかamazingとかいろいろあるじゃないですか。その違いを、学校や、塾で教えてくれたりしますが、授業で扱ったものは、イメージが残っているので覚えやすいじゃないですか。そういったことを、単語帳に書き込んだりしていました。

確かに、英単語集に頻出事項が赤字で書かれていたとしても、たいていの単語集では、その量がハンパじゃなく、かえって覚えられない。でも、学校や予備校の授業などで、単語のニュアンスの説明を受けたときに、それを単語集に自分で書き込んでおけば、覚えやすい。

木村:そうですね。自分で書き込んでいくと、愛着がわくし、よく覚えられる。

加藤さんも木村さんも、東京大学に合格しましたが、それでも、それぞれ、自分なりに工夫して苦労して単語を覚えていたことがわかりました。授業にあわせて補助的に使う、自分でいろいろと書き込む、合間の時間をうまく使う。このような効果的・効率的な方法を自分なりに実行していくのが、受験を突破するうえでも、実生活で英語を生かすにも、重要なことです。